スカイメモ-P

10月4日(火)
京都にある実家を8月に処分しました。築100年以上の古民家ですが、母が亡くなり父がこちらに越してきて住む者もいなくなって7年半、私が大学生まで住んでいたところです。
町の古民家再生事業で有効活用していただけるということで無償提供させていただきました。町でリフォームして学生のセミナーハウスなどに利用するとのことですが、石垣が古くなり壊れたら不安なこともあり 丁度良い機会でした。

さて実家を整理して使えそうなものを運び出しましたが、その中に1973年のスカイメモ-P(SKYMEMO-P)がありました。
当時 富士電子工業の故小山泰三郎氏が1971年に開発されたものを、限定生産したものです。スカイメモの存在を知ったのは1972年に香川県で行われた星を見る会(正式名称は失念しました)です。そこに小山氏ご本人が持ち込んでデモをされていました。
それまで望遠鏡の十字線を張った接眼レンズを覗きながら、じっと我慢の数十分 でやっと撮れた星空を、極軸望遠鏡付きで音叉時計自動追尾・・・感動した記憶があり、限定発売品を小遣いと親から借金して98000円を工面して買った記憶がよみがえってきました。その後5年ほど使いましたが、星の撮影から興味が薄れ放置することになりました。
38年ぶりの対面・・箱にはホコリが被って、中の機械にもホコリやカビが生えていましたが早速 持ち帰りチェックすることにしました。

イメージ 1
01:箱のサイズは36X23X28cm 木製で頑丈です。総重量12kg
白のSKYMEMOのロゴは当時のペイントです。
イメージ 2
02:箱の中身、左が電源部 12V端子、AC電源、鉛蓄電池
右上に本体、右下に雲台ベースとバランスウェイトなどが入っています。
イメージ 3
03:銘板 TYPE M-60、NO.1013(013がシリアルナンバー)、DATE 73-2(73年2月) とあります。
イメージ 4
04:三脚に載せてみました。極軸部にサビがあって雲台ベースをねじ込めません。
イメージ 5
05:雲台ベースに雲台(これもサビがあります)とバランスウェイトを取り付けました。

イメージ 6
06:サビを落としてなんとかねじ込みました。
イメージ 7
07:極軸望遠鏡とフィルターは清掃すると綺麗になりました。
視野10° 4倍の極望で、パターンは1976年のガイド星が切ってあります。
イメージ 8
08:カメラを載せてバランスを取り、通電してみました。

100V電源に繋ぎAC電源をONにすると電源ランプが点きます。これはいけるかもしれないと思い、ケーブルを繋いでみると極望の暗視野照明ランプが点きました。本体に耳を付けてみると ジージーと音がします。動いているようです。
リモコンのFASTとSTOPボタンを押すと速くなったり止まったりします。どうやら動いているようです。
正常動作するかどうかは実際に星を撮るまでわかりませんが試してみたくなりました。

SKYMEMOはその後 KENKOが水晶発振のSKYMEMO-Q として一般販売を行ってきました。またSKYMEMO-NS、Rへ改良されました。(これが改良なのかは疑問を持つ人が多いようですが私は使っていませんのでノーコメント)
現在は SKYMEMO-S として販売されていますが、これはコンセプトは似ているものの SKY ADVENTURER というSkyWatcherの製品のOEM版?です。こちらも使用しています。